12月議会における「森林・林業・木材産業施策に関する意見書」について(反対の理由)

会派名「自由民主党」が提案した意見書について、我が会派「自由民主党・無所属の会」の対応

 林業・木材産業施策等に関する意見書については、本年7月議会において「乾しいたけ価格下落対策を求める意見書」9月議会においては「林業・木材産業の振興等に必要な財源確保を求める意見書」を全会派で提案可決し政府に提出してきたところである。

 この度の意見書は、森林・林業・木材産業に関するものとして7項目が提出されているが、

@「二」の復興予算の使途の厳格化に伴う基金の返還に伴う森林整備加速化・林業再生基金の安定化対策については、9月議会において採択、

A「六」の原子力発電所の事故に伴うしいたけの風評被害対策等についても、7月議会において「意見書」を可決し、政府等に提出したところである。

Bまた、「五」のTPP交渉については、別途農林水産委員会から意見書が提出され、採択されているが、この意見書には「合板、製材の関税への配慮」項目は含まれておらず、意見書は「国会決議の実現を求める立場」となっている。TPP交渉について「合板、製材の関税への配慮という例外項目を追加する立場」とは、明らかに整合性がない。

 地方自治法第99条の規定に基づく「意見書の提出」に際しては、意見(要望)について賛否を決定するのみでなく、過去の同種の意見書提出の状況、または他の意見書との整合性を十分検討したうえで、大分県議会として「意見書」の採決を行うべきでると考えている。
 そのため、我が会派は、7月、9月議会で可決・提出した同種の要望項目をはずし、農林水産委員会に提出されているTPP交渉に関する請願との調整を含めた「修正」を提出者に申し出たが、今回受け入れられなかった。
 もとより、我が会派は、森林・林業産業の振興の観点から、今回の意見書の内容を含む振興策について、政府に対してこれまでも、これからも働きかけていくことにしている。
しかしながら、意見書の提出回数に価値があるような「分別のない採択」を繰り返すことは、地方自治法第99条の規定に基づく「意見書」の提出権を議会自らが形骸化させ、単なる要望活動の域に陥れてしまうことを大いに憂慮するものである。
 また、議員提出案件と委員会提出案件においても関連ある意見書については、十分な調整・検討を行った上で、提出・採決をすべきであると思慮するが、検討・協議もなく一貫性のない2つの意見書を提案・採決することは、意見書を提出する大分県議会の姿勢としての品位を欠く。

 以上を総合的に勘案し、本意見書については反対の意見を表明するものである。

(※以下意見書)

議員提出第二十四号議案

   森林・林業・木材産業施策に関する意見書

 近年、地球温暖化が深刻な環境問題となる中で、二酸化炭素を吸収・固定する森林・木材に対し大きな関心と期待が寄せられているところである。
 特に、原発事故に伴い原子力発電が停止し、火力発電が拡大する中で、大気中の二酸化炭素の削減は更に必要性を増しており、森林による二酸化炭素の吸収及び木材・木製品による二酸化炭素の固定は、一段と重要性を増している。
 我が国の森林・林業・木材産業は、最近やや持ち直しつつあるものの消費税引き上げ後の経済の見通しは不透明であり、またTPP交渉の結果によっては林業・木材産業に重大な影響が生じる恐れもあるなど、依然として不安定な状況にある。
 このような中、森林整備を着実に推進し、森林の多面的機能を持続的に発揮するとともに、林業の安定的発展と山村の活性化を図っていくためには、森林・林業を国家戦略と位置付けて、「森林・林業基本計画」等に基づき、森林施業の集約化、路網の整備、人材の育成等を積極的に進めるとともに、都市部においても、二酸化炭素を引き続き固定し続けてくれる木材・木製品の利用を積極的に進めるなど、木質バイオマス利用の促進を含む一層の国産材の振興により、森林・林業の再生を図ることが緊要である。
 よって、国会及び政府におかれては、このような状況を踏まえ、平成二十五年度補正予算、その後引き続いて編成される平成二十六年度当初予算等においては、木材自給率五十%の実現や、森林の有する公益的機能の発揮を目指してこれまで進めてきた取組を今後も継続できるよう、次の措置を講じられるよう強く要望する。

一 充実してきた日本の森林資源を使い・育てるサイクルを確立するとともに、地域経済の活性化に資するため、住宅・土木用資材及び様々な建築物への木材利用の推進や公共建築物等木材利用促進法に基づく施策の推進、特に、二十五年度限りの対策となっている木材利用ポイント制度の延長・充実に努めること。
 また、これらの推進に必要な木材が安定的かつ効率的に供給できるよう、森林経営の集約化や路網整備の推進を行うこと。

二 復興予算(森林整備加速化・林業再生基金)の使途の厳格化に伴う基金の返還により被災住宅の復興をはじめとした全国的な木材の安定供給に支障が生じないよう、また、川上から川下まで一体となった弾力的な取り組みを地域の実態も踏まえつつ進めることができるよう、森林整備加速化・林業再生基金の継続・拡充に努めること。

三 森林の多面的機能の持続的発揮に向けた各種制度や財政支援措置の拡充、特に公益的機能発揮や地域振興の観点から、地球温暖化防止や国土強靱化に向けた林野公共等事業の積極的な推進に努めること。

四 地球温暖化防止、特に、森林吸収量の算入上限値三.五%の確保のための森林吸収源対策の推進等を図るため、「地球温暖化対策のための税」の使途への森林吸収源対策の追加や森林環境税の創設など安定的な財源の確保をすること。

五 TPP交渉の結果として国内に悪影響が生じることなく森林整備が十全に進められるよう、合板、製材の関税に最大限の配慮を行うこと。

六 原子力発電所の事故に伴う、しいたけの風評被害の原因究明とその早急な収束に向け、万全を期すとともに、原木しいたけ生産の維持、発展のため、生産基盤の整備や担い手の確保、消費拡大について、予算の確保や支援制度を充実、強化すること。

七 地域の安全・安心の確保のため、本年の台風災等による山地災害からの早急な復旧を図るとともに、事前防災・減災の観点から、災害に強い森林づくり、治山等施設の老朽化対策、南海トラフ巨大地震を想定した津波対策等も踏まえた全国的な海岸防災林の整備など、治山対策等を通じた緑の国土強靱化の推進を行うこと。
 右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。

  平成二十五年十二月十一日

                  大分県議会議長  近   藤   和   義

衆議院議長   伊 吹 文 明 殿
参議院議長   山 崎 正 昭 殿
内閣総理大臣 安 倍 晋 三 殿
財務大臣    麻 生 太 郎 殿
農林水産大臣 林   芳 正 殿