平成25年第2回定例会につて

 県議会は、7月3日第2回定例会が閉会しました。
「自民党・無所属の会」より、一般質問は嶋幸一議員、衞藤明和議員、土居昌弘議員、古手川議員の4名が行いました。
 また、以下の4つの意見書(案)を提出し、可決されました。

@東九州自動車道北九州〜大分〜宮崎間の平成二十六年度までの全線開通を求める意見書
A災害に強い県土づくりに向けた社会資本整備を求める意見書
B乾しいたけ価格下落対策を求める意見書
C義務教育費国庫負担制度堅持・教育予算拡充を求める意見書


@東九州自動車道北九州〜大分〜宮崎間の平成二十六年度までの全線開通を求める意見書
 東九州自動車道は、沿線にある福岡、大分、宮崎及び鹿児島四県の九一○万住民にとって、災害時や救急医療に不可欠な「命の道」、農林水産業の市場拡大や企業誘致、観光振興を促進する「活力の道」、そして通勤・通学や買い物など暮らしに必要な「生活の道」として最低限必要な社会基盤であり、その早期完成は沿線住民の悲願となっている。
 九州経済産業局等の試算では、東九州自動車道の未供用区間の整備により、全産業の合計で約三兆九千億円の生産額が増加するとされており、本県にとっても、県北部の「カーアイランド九州」や県南部の「東九州メディカルバレー」等の構想実現に欠かすことはできないものとなっている。
 さらに、南海トラフ巨大地震が発生した場合には甚大な被害が懸念される東九州地域にとって、東九州自動車道は、大津波の影響を受けない基幹ネットワークとして、その整備が急務となっている。
 本県では、県南及び県北の未供用区間において、それぞれ国土交通省及び西日本高速道路株式会社により、トンネル工事の工程短縮に向けた取組など事業の推進が図られているところであり、早期完成に向け大きな期待が寄せられている。
 こうした中、佐伯〜蒲江間に、昨年度の補正予算と本年度の当初予算を合わせ、二〇〇億円を上回る予算が配分され、また、開通見通しも平成二十七年度と一年前倒しされたところであり、平成二十六年度開通に向けて、大きく前進したものと評価するところである。
 しかしながら、高速道路は「繋げてこそネットワーク」であり、その一刻も早い構築のためには、北九州〜大分〜宮崎間の一体的な供用に向け、佐伯〜蒲江間についても他の区間に合わせ、平成二十六年度に前倒しして供用することが必要である。
 よって、国会及び政府におかれては、九州を循環するネットワークの構築に向けた東九州自動車道の早期完成について、次の事項に取り組むよう強く要望する。
一 平成二十六年度までに完成する他の区間と一体的な供用を図るため、供用予定を前倒し して、「佐伯〜蒲江間」を平成二十六年度までに完成させること。
二 「築上〜宇佐間」を平成二十六年度までに完成させること。
三 国が責任を持って、スピーディーに整備を進めるための必要な予算を確保すること。
 右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。

A災害に強い県土づくりに向けた社会資本整備を求める意見書
 本県は、地震や台風、近年多発する集中豪雨など、極めて多種の自然災害が頻発する自然条件下にあり、これまで幾度となく甚大な被害と深い悲しみを経験してきた。
 昨年七月、九州北部地域を襲った記録的な集中豪雨は各地に甚大な被害をもたらし、尊い人命と貴重な財産が奪われた。その傷跡は大きく、今なお、復旧・復興に取り組んでいるところである。さらには、南海トラフ地震が高い確率で発生することが懸念されており、沿岸部を中心に大きな被害が見込まれている。
 このような災害リスクから県民の生命・財産を守るためには、防災・減災対策の取り組み強化が必要であり、災害に強い県土づくりは、まさに喫緊の課題である。
 とりわけ、東日本大震災を契機に広く国民に認識されたように、災害時の救命救急活動や復旧・復興活動を支える中九州横断道路や中津日田道路など広域的な交通ネットワークの整備は不可欠で、スピード感を持って進めていかなければならない。
 また、豪雨災害で被害の大きかった日田市の花月川や有田川、中津市の山国川などの浸水被害の解消にはまだまだ年数を要し、治水事業費の確保が不可欠である。併せて、甚大な被害が発生した竹田市においては、ダムが完成していた稲葉川流域では大きな被害は見られず、改めてダムの効果が明らかになったところである。加えて、本県の地形・地質的特性から土砂災害危険箇所数が九州で最も多いため、土砂災害対策も進めていく必要がある。
一方で、中央道笹子トンネル事故を踏まえ、生活や経済の基盤である社会資本が的確に維持されるよう、様々な施設の老朽化対策への投資も惜しんではならない。
 今後、これまでの災害の経験を貴重な教訓として、災害に強い県土づくりに向け、広域的な交通ネットワークの整備や、大規模災害に備えた防災・減災対策や耐震化、社会資本の老朽化対策を加速度的に取り組んでいかなければならない。
よって、国会及び政府におかれては、次の事項に取り組むよう強く要望する。
一 中九州横断道路は、豊後大野市〜竹田市間の事業中区間の早期完成と、竹田市〜熊本県 境間の早期事業化を図ること。
二 中津日田道路は、中津市内の事業中区間については早期に完成させ、日田市〜中津市間 の未着手区間についても県の調査状況を踏まえ、早期に事業化を認めること。
三 大分川ダムを早期に完成させること。
四 玉来ダムをはじめ、河川、砂防、海岸事業等の防災・減災対策、建築物等の耐震化、社 会資本の老朽化対策を進めるための十分な予算を確保し、地方の取組を支援すること。
 右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。

B乾しいたけ価格下落対策を求める意見書
 乾しいたけは、古来より食材として広く活用され我が国の食文化を形成するとともに、農山村の重要な産業として地域経済の発展に大きく貢献してきた。
 また、乾しいたけ生産者は、地域の農林業も担っており、その生産活動を通じて農地や森林の公益的機能を維持し、里山の良好な環境や景観を守ってきた。
 平成二十五年五月末に、石川県で開催された国連食糧農業機関の国際会議において、本県の国東半島宇佐地域における「クヌギ林とため池がつなぐ農林水産循環」が世界農業遺産に認定された。原木乾しいたけ栽培の重要性が世界に認められたものであり、将来に向かって大きな期待を寄せているところである。
 しかしながら、平成二十三年三月に発生した福島第一原発事故は、東日本の椎茸産業に放射能汚染という大打撃を与えたのみならず、全国に風評被害を誘発し、安全・安心の代表格だった乾しいたけのイメージを一変させた。
 関東の大消費地を始め、全国各地で消費者の買い控えが進み、価格は下落の一途を辿り、
事故発生から二年以上が経過しているにもかかわらず、関東の一部の学校給食では乾しいたけの使用が自粛されたままとなっているなど、現在でも風評被害は払拭されておらず、価格下落に歯止めがかかっていない。
 今や乾しいたけの価格は、生産原価を大きく割り込んでおり、椎茸生産が困難となっている東日本の分までと頑張っている西日本の生産者の意欲が急速に減退している。
 価格回復の兆しが見えない中、このような状況が続くと、我が国の乾しいたけ産業の存続が危ぶまれ、ひいては農山村社会の維持に重大な悪影響を及ぼすこととなる。
 よって、国会及び政府におかれては、次の事項を実現するよう強く求める。
一 風評被害の原因の徹底究明とその早急な収束に向けて万全を期すこと。
二 全国的な広報活動等の実施により、消費者の乾しいたけに対する不信感を払拭するとと もに、原木乾しいたけの安全・安心を確固たるものにするため、乾しいたけトレーサビリ ティシステムを構築すること。
三 原木乾しいたけ生産の維持・発展のため、生産基盤の整備や担い手の確保、消費拡大に ついて、予算の確保や支援制度を充実・強化すること。
 右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。

C義務教育費国庫負担制度堅持・教育予算拡充を求める意見書
 社会状況等の変化により学校は、一人ひとりの子どもに対するきめ細かな対応が必要となっている。また、新しい学習指導要領が本格的に始まり、授業時数や指導内容が増加している。日本語指導などを必要とする子どもたちや障がいのある子どもたちへの対応等も課題となっている。いじめ、不登校等生徒指導の課題も深刻化している。こうしたことの解決にむけて、計画的な定数改善が必要である。
 日本は、OECD諸国に比べて、一学級当たりの児童生徒数や教員一人当たりの児童生徒数が多くなっている。一人ひとりの子どもに丁寧な対応を行うためには、一クラスの学級規模を引き下げる必要がある。文部科学省が実施した「今後の学級編制及び教職員定数に関する国民からの意見募集」では、約六割が「小中高校の望ましい学級規模」として、二十六人〜三十人を挙げている。
 三十五人以下学級について、小学校一年生、二年生と続いてきた三十五人以下学級の拡充が、平成二十五年度は予算措置されていない。
子どもたちが全国どこに住んでいても、機会均等に一定水準の教育を受けられることが憲法上の要請である。しかし、教育予算について、GDPに占める教育費の割合は、OECD加盟国(データのある三十一カ国)の中で日本は最下位となっている。また、三位一体改革により、義務教育費国庫負担制度の負担割合は二分の一から三分の一に引き下げられ、自治体財政を圧迫するとともに、非正規雇用者の増大などにみられるように教育条件格差も生じている。
将来を担い、社会の基盤づくりにつながる子どもたちへの教育は極めて重要である。子どもや若者の学びを切れめなく支援し、人材育成・創出から雇用・就業の拡大につなげる必要がある。こうした観点から、平成二十六年度政府予算編成において次の事項が実現されるよう強く要望する。
一 子どもたちに教育の機会均等と教育水準を保障するために必要不可欠な義務教育費国庫
 負担制度を堅持すること。
二 きめ細やかな教育の実現のために、OECD諸国並みのゆたかな教育環境を整備すると ともに、少人数学級を推進すること。
 右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。